昔の子どもの遊びは「外遊び」が中心で、日本の伝統的な遊びである「伝承遊び」も盛んでした。身近な自然や道具を使い、友達同士で遊ぶことで想像力や全身を使う力が自然と養われていました。
しかし今では、過密スケジュールや画面を見てばかりの生活で、外で自由に遊ぶ時間が大幅に減少していることは専門家たちの間でも問題視されています。心の赴くままに遊ぶことは、実行機能、感情の調整、問題解決能力などを育てます。また、外遊びをした子どもたちは、そうでない子どもに比べ自立心が高く、自分のことは自分でできるようになることが明らかになっています。
ブランコに乗ったり、走ったり、飛び跳ねたりすることは、リズムに敏感な脳の下部領域を刺激し、感情を調整するのに役立ち、計画や判断などをつかさどる前頭前野の経路を強化し、空間認識と記憶にとって重要な海馬を活性化させます。
また、自然の中で遊ぶことで子どもたちは協力し合い、たとえば砦づくりや土とお花を使ったお料理ごっこはあるグループプロジェクトにもなっています。そうして培われたコミュニケーション能力やコラボレーションスキルはその後の人生で大いに役立ちます。子どもは自分のペースで成長し、課題を一つずつ解決していくことで自分の能力に応じてリスクを評価し、解決していけるようになります。しかし、親としては安全性への懸念や時間的制約、限られた公共施設といった問題に直面することもあり、心配はつきません。
幼少期に自然を体験した影響は生涯続きます。緑地に触れる学校プログラムについての複数の研究を評価した2024年のレビュー論文によると、生徒たちの気分、身体活動、子ども同士の人間関係が一貫して向上していた、となっています。また2019年に発表されたヨーロッパでの長期にわたる研究によると、幼少期に緑地で過ごす時間が少ないと将来、精神疾患のリスクが最大55%高くなることが分かっています。
4月は新しく環境が変わる時期でもあります。発達障害のお子さんを抱え悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。子どものころ自然の中で過ごした体験のある人は、大人になってからも自然を大切にする傾向があるということです。ぜひ、親子や友達と自然な遊びに触れてみてはいかがでしょうか。
