「口腔育成」とは、お口の機能を正しく健康に育てることです。
お口の機能は食べること・話すこと・呼吸すること・生きるために大切な機能であり口腔機能が正しく発達しないと顎の成長や歯並びの形成そして発音にも影響してきます。お口の機能は自然と身について誰でも普通にできていることだと思いがちですが、これらは自然に身につく機能ではなく保護者や周りの大人のサポートが必要です。しっかり身につけ習慣化することが大切です。
お口の機能が十分に発達していないか、正常に機能獲得できていない状態を口腔機能不全症といいます。
⦅口腔機能が発達不足だと表れやすいサイン⦆
・気がつくとお口がポカンと開いている
(口呼吸は細菌が繁殖しやすいので口を閉じる習慣を身につけましょう)
・鼻がつまっていないのにいびきをかいている
・生えてくるのが遅い歯がある
・歯がガタガタに生えている
・あまり噛まずに丸飲みしている
・クチャクチャと音をたてて食べている
・前歯が口元からみえている
・口を閉じると唇の下、顎の先にしわができる
《お子さんの未来のために0歳からの取り組みを》
顎は0歳から6歳に急激に発達します。8歳をすぎると成長がゆっくりになるため、歯ならびや根本的な原因の改善に時間がかかってしまいます。また幼少期からの口腔育成の発達不足のサインをそのままにしてしまうとお口の機能のレベルが下がり将来高齢になった時に口腔機能が早期に衰え、摂食・嚥下(えんげ)障害に陥ります。将来のためにも0歳からの取り組みが大切です。
0歳からの生活習慣の中で舌や上顎、口唇の発達への影響を意識してみましょう。例えば、哺乳の時におっぱいや哺乳びんを深くくわえさせると、舌を上顎まで上手に押し上げることができ、舌の筋肉や上顎の発達につながります。
離乳食は舌で食べ物を顎に押し付けてつぶすなど、舌や上顎、口唇の働きを発育させる重要な機会です。乳幼児期、学童期にお口の機能を整えておくことで将来のむし歯や歯周病、悪い歯並びのリスクを下げることも期待できます。
《口腔機能トレーニングは自宅でもできます》
・ブクブクうがいをする。
うがいは口周りや舌の筋肉を使うので効果的に口腔機能が鍛えられます
・あいうべ体操
口を大きく開けながら「あー」「いー」「うー」とゆっくり動かし最後は舌をだし「ベー」とします。
むし歯ケア同様に口腔育成は子どもの正しい発達にとって重要なものです。