【みんなのポケット】2025年8月号(NO.270)
アトピー性皮膚炎は皮膚の赤み・かゆみ・発疹・乾燥・落屑・湿潤などの症状が顔や肘窩・膝窩及び全身に現れ、憎悪と軽快を繰り返すのが特徴で、寛解状態を維持することを目標に治療を行っていきます。
治療の基本は薬物療法・スキンケアで、悪化要因(発汗、皮膚の乾燥、体が温まるとかゆくなる、ほこり等)を除去することで、皮膚の状態をコントロールしていきます。
普段は症状が出たときにステロイドの塗布や保湿剤などを使う治療『リアクティブ療法』を行っています。
しかし、薬を塗ったらよくなったけれど塗らなくなったらすぐにぶりかえしてしまったという経験はありませんか?
治療によって一見良くなっているように見えても潜在的な炎症が残っていると炎症が再燃しやすい状態が続いている場合があります。
最近では『プロアクティブ療法』が注目されています。
急性期の治療によって寛解導入した後にだんだんとステロイドの使用を減らしていき、保湿剤や抗炎症薬に置き換え間隔を開けながらつるつるの皮膚の状態を維持することを目標に治療を継続していく方法です。
薬としてはタクロリムス外用薬・JAK阻害薬・PDE4阻害薬・生物学的製剤(注射薬)などがあります。