~迷った時の解熱剤の上手な使い方~
【みんなのポケット】2023年8月号(NO.246)
例年6月~8月頃になると夏風邪が流行しますが、今年の6月頃からはヘルパンギーナの流行やRSウイルス、アデノウィルスなどの感染症、熱や咳の長引く症状の方が多く見うけられています。
各種感染症では熱を伴うことも多く、熱がでると親御さんは心配になり相談や予約の電話が殺到し、受診されることで安心感を得られることも多い一方で、とくに特別な治療はなく対症療法となるケースも多く、解熱剤はよく処方される薬の一つです。
解熱剤を使う理由は、病気を治すためでもなく熱を平熱に戻すことでもありません。体温を少しだけ下げてあげて水分や食事をとらせ、睡眠がとれることにより体力を維持できることが目的です。熱が出たからすぐに使うとか、寝ている子どもを起こしてまで使う必要はありません。
また、小児でよく使われる解熱剤(カロナール、アセトアミノフェン等)は使用してから30分~60分程で効果が現れますが、効果のピークは3~4時間ですので解熱剤の効果が切れてくると熱はぶり返してきます。熱がぶり返したからといって解熱剤をまたすぐ使う必要はありません。
結局、感染症を治すためには自分の免疫力を高めてウイルスと闘うことが必要です。熱は時がくれば下がるタイミングとなり平熱に戻りますので、その間をいかに快適に過ごさせてあげられるかが大事です。まずは、体をゆっくり休め、水分を取り、食べられるようなら消化の良いものを摂る事を心がけてみてください。また、悪寒があれば体を温め、熱が上がりきったら冷やすなどして経過をみて下さい。
ただし、ずっとうとうとして反応が鈍い・顔色が悪い・無表情で活気がないといった意識状態が悪いときは早めに受診してください。
解熱剤を使うタイミングは?
高熱「38.5℃以上」がありつらい。元気がなくぐったりしている。水分がとれない。
眠れない。
などの症状がある時は使ってあげると良いと思います。
ちなみに、熱が40℃あったとしても元気があり水分が取れる場合は使わなくてもOKです。

発達障害
【みんなのポケット】2023年8月号(NO.246)
発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害です。
言葉の発達が遅い、対人関係をうまく築くことができない、特定分野の勉学が極端に苦手、落ち着きがない、集団生活が苦手などにより社会生活に困難が生じてきます。外見からは分かりにくいものが多く、その症状や困りごとは十人十色です。
幼少期または学童期頃より症状が目立ち始めますが、変わり者、怠け者というような誤った認識がなされ、見過ごされているケースも多いと考えられています。社会人になってから、不注意やミスが多いといった症状が目立ち、初めて診断が下されるケースも少なくありません。
発達障害の症状は薬物療法などである程度抑えることができるものもありますが、根本的な治療法はない症状が多いのが現状です。発達障害を抱える当事者は様々な場面で生きにくさを感じているとされており、将来的に症状とうまく付き合いながら日常生活を送っていくには、早期の段階で生活訓練などの療育を始めることが良いとされています。
当院では、発達障害を乳幼児健診や学校から指摘された方、ちょっと気になる症状がある方への相談も行っております。相談される場合はお電話で予約をお願い致します。
経過によっては専門機関への紹介も行っております。