HOME»  みんなのポケット

~外用剤の塗布のお話~

外用剤の塗布量について

薬局チムニです。
今回は、皮膚科領域で用いられている外用薬の、塗布量の目安について説明します。

一般的には、外用剤0.5gが成人の手のひらの面積2枚分に相当します。

  • 軟膏やクリームのチューブでは、人差し指先端から関節1つ分の長さにチューブから出すと、約0.5gとなります。
  • ローションでは、手のひらに1円玉くらいたらした量が約0.5gとなります。
  • 軟膏やクリームのボトルから薬を取る場合、人差し指先端から関節1/2の長さですくいとると約0.5gとなります。

広範囲に塗布する場合はこの目安が役に立ちますが、実際には塗布する部位があちこちにあったり、部位の面積もまちまちです。

このような場合は、塗布部位がテカッと光り、ティッシュペーパーが付着するくらいの厚さが目安となります。

外用剤は、回数を守って使用して下さい。
また、風呂上りは皮膚についた汚れが取れており外用療法を行う上で最も良い状態で、薬の経皮吸収も上がっています。
バスタオルで水滴を取った後に使用して下さい。

※診察時に医師から使い方の説明があった場合は、その指示に沿って使用して下さい。
外用剤に限らず、薬の使い方の説明を忘れてしまった場合は薬剤師に伝えて下さい。
疑義照会にて正しい使用法を確認し、説明致します。

今回は外用薬について説明しましたが、その他薬に関する不明点は、薬局まで気軽にご相談下さい。

「オーバードーズ」という言葉を知っていますか

オーバードーズとは、薬の過剰摂取のことです。薬には「1日に定められた量」がありますが、その適切な量を超えて摂取すると、薬による様々な副作用が出てきて中には命を脅かす事態になることもあります。
しかし、あえてその副作用を期待して薬を過剰摂取する行為が「オーバードーズ」です。特に市販薬の過剰摂取が青少年を中心に増えてきています。2021年の薬物使用に関する全国高校生調査によると約60人に1人が過去1年間に市販薬の乱用をしたことがあるとしています。現在社会的に非常に大きな問題となってきています。
もっとも有名な薬は、
咳止め:コデイン系、デキストロメトルファン   メジコン®、コンタック®   などです。
オーバードーズによる代表的な症状は、幻覚、興奮・錯乱ですが、場合によっては命にもかかわる状態になることもあります。そういった薬物を過剰に摂取してしまう原因は、気分が少しでも晴れるようにするため、気分をもっと良くするため、パフォーマンスを上げるため、みんな使っているから、社会的なプレッシャーが強いからなどですが、これらの目的を達成する手段として決して適切な方法ではありません。命にもかかわりますし、大切な人も悲しむ結果となります。このような問題をみんなで一緒に考える良い機会があります。別紙をご参照ください。