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アレルギー性鼻炎

【みんなのポケット】2024年3月号(NO.253)

アレルギー性鼻炎とは、ダニやほこりなどが原因で1年を通して鼻炎症状が認められる「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギやヒノキなどが原因で花粉の飛散時期だけに鼻炎症状が認められる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」があります。また、両方を合併している方もいらっしゃいます。

症状としては、くしゃみ、鼻水(水溶性)、鼻づまりが特徴的です。
鼻がつまると口で呼吸するため、のどの渇きや痛みなどの症状と共に、不眠、授業中の居眠り、イライラ感、全身倦怠感、集中力の低下など、学業への影響がでることもあります。小さいお子様の場合症状を上手く表現できず,鼻をこする、いびき、口呼吸などの症状で気づかれることもあります。
ほっておくと、慢性副鼻腔炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎といった合併症を引き起こすこともあるため、医師の指導のもと適切な治療を行うことが大切です。

診断は、鼻鏡を使って粘膜の色や腫れなどを観察し、特異的IgE抗体を調べることでほぼ確実に診断できます。

治療は、飲み薬や点鼻薬が一般的です。他にも免疫療法や手術も選択できます。
最もよく処方される飲み薬は、抗ヒスタミン薬です。アレルギー症状を全般的に改善することができ近年は眠くなりにくい薬や炎症を抑える薬などさまざまな薬を組み合わせながら症状の改善を目指します。
また、点鼻薬も重要な治療のひとつで、ステロイド点鼻薬は症状改善効果の高い治療です。ステロイドと言っても微量であり局所の効果のみなので安全に使用することができます。
市販で販売されている点鼻薬には血管収縮薬が含まれているものが多く、一時的に症状は改善しますが、その後は鼻の腫れを悪化させるため、短期間のみの使用に限定しましょう。目の痒みには抗アレルギーの点眼薬を用いますが、重症の場合はステロイド点眼薬を使用しますが、眼圧が高い人には禁忌なので眼科受診をすることが適切です。

なお、漢方薬では小青竜湯をよく使用します。抗ヒスタミン薬では眠くなって困る方などにはお勧めです。

予防・注意点は、外出から帰ってきたら、家に入る前に花粉を払い落としましょう。
洗顔も効果的です。
生理食塩水による鼻洗浄は、即効性もありとても効果的です。
アレルゲンを吸い込まないために、こまめに室内の掃除や換気を行いましょう。
鼻水の多いときは中耳炎を起こしやすいので鼻を強くかまないように気をつけてください