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みんなのポケットバックナンバー感染症|熊谷市の小児科・内科

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みんなのポケット バックナンバー 感染症

 

 
 

 

感染性胃腸炎

【みんなのポケット】2013年12月号(NO.130)

いつものように、感染性胃腸炎が流行してきました。ノロウイルス、ロタウイルスなどが冬の流行性胃腸炎の原因ウイルスです。ポイントは、かかったかな?と思ったらとにかく体を休めること、そして、他人へうつさない努力を最大限することです。乳幼児や、高齢者は脱水症状で危険な事もありますが、学童や一般成人は、とにかく体を休め、胃腸を休め、回復を待ちましょう。また、脱水の予防には、経口補液剤が最適です。内服薬、座薬の吐き気止めは、ないよりまし、程度です。感染予防の第一は、手洗い。そして、消毒にはアルコールは無効で、次亜塩素酸ナトリウムが効きます。

感染性胃腸炎

中耳炎のお話

【みんなのポケット】2013年9月号(NO.127)


中耳炎は、鼓膜の奥、はなやのどの奥の「中耳」という場所にウイルスや細菌が入って痛みや熱が出る病気です。3歳までに8割以上の子どもがかかるという報告もあります。中耳炎でも、薬が効かない「耐性菌」が問題になっています。ひと昔前までは中耳炎の治療といえば、すぐに抗生物質が出されていました。しかし、多用されたことで、ペニシリン系などの抗生物質が効きにくい菌が増えてしまったのです。
抵抗力が弱い0歳や1歳から保育園に通うお子さんが増え、子ども同士でうつしあって耐性菌が広がっていると考えられています。こうした影響で、入院が必要になるような重症の中耳炎も増えているのです。このため専門家の集まりである学会が指針を出し、安易に抗生物質に頼らず、軽症なら3日間程度は抗生物質を使わずに様子を見るべきだと定めました。抗生物質を使わなくても治るケースがあり、痛い時の鎮痛剤くらいで、かぜが治るとともに、中耳炎も治るのです。

手足口病

【みんなのポケット】2013年7月号(NO.125)


手足口病は、手の平、足の裏、口の中を中心に水泡性の発疹ができる疾患で、夏に流行するウイルス感染症です。5才くらいまでの小さな子供が多くかかり、原因は主にコクサッキーウイルスやエンテロウィルスです。このウイルスは、数種類ありますので何度もかかることがあります。
感染して症状がでるまでに3~7日かかります。口の中の痛みで食欲がなくなり、手の平、足の裏、口の中に小水疱ができます。小水疱は、お尻やひざ、ひじにもできることがあります。半数程度は発熱もみられず、ほとんどが数日~1週間のうちに治る病気です。しかし、まれに髄膜炎、脳炎、心筋炎などを合併します。お子さんをよく観察し、合併症に注意しましょう。
口の中は痛みを訴える事が多いので、プリンやゼリー、アイスクリーム、さましたおかゆなど刺激の少ないものをとるようにしましょう。手足口病のウイルスは、腸の中で増えるウイルスなので治った後でも比較的長い期間(3~4週間)ウイルスが便中に排泄されます。
咳や便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染しますから、手洗いやうがいをしっかりと行いましょう。タオルの共用はしないようにしましょう。

風邪の診療について

【みんなのポケット】2013年6月号(NO.124)

「かぜ」とは、ほとんどウイルス感染が原因の上気道の症状、すなわち咳、鼻水、鼻閉、咽頭痛、発熱などを伴う疾患です。抗生物質も効果ないし、咳止めや鼻水止め、解熱鎮痛剤などは一時的には症状を緩和させても、結果的に治る時期は一緒というのがわかっています。
むしろ乳幼児では咳止めや鼻水止めの薬の副作用が出ることもあり、米国などではFDA(日本の厚労省にあたる)が2歳未満の乳幼児への感冒薬の投与を止めるように警告を出しています。日本でも同様に、発熱すると医者に診てもらって、抗生物質をもらって早く治す?と勘違いしている患者さんや医師もいて、大変な事になっているのが現状ですが、しかし、小児科専門医の集まりである日本外来小児科学会では、「かぜ」の診療について次のような基本方針を出しています。

① かぜは、まず「経過観察」がとっても大事
② しかし、重篤な疾患を見落とすと大変なので、なるべく診察を受けること
③ そこで、かぜと診断がつけば、無駄な薬、たとえば抗生物質などはできるだけ使用しない
④ 中枢性鎮咳剤や抗ヒスタミン剤、気管支炎でもないのにホクナリンテープなどもできるだけ使用しない ⑤ 咽頭扁頭炎や中耳炎や鼻副鼻腔炎などがある場合、抗生物質の投与を考えなければならないが、必ずしも必要ないとの考えもある

このような方針にのっとって診療し、投薬よりも説明に重点を置いて保護者に接し、病気が治っていく課程を繰り返し体験してもらうことで、保護者自身が子どもの病気や様々なトラブルに対応する力を備えていけるのです。これが「子育て力」です。私たち小児科医は、これからは子育て支援にもっと力を注がなければいけないと思っています。

風疹流行

【みんなのポケット】2013年4月号(NO.122)


風しんの発症者が、平成24年に入り、兵庫県で最多の感染となっているのを始め、平成24年後半からは、東京を中心に関東地方で激増しています。患者の8割は男性で、多くは20~40歳代。女性は20代の割合が高いです。
風しんは、咳やくしゃみ、会話などによって飛び散ったウイルスを吸い込むことによって広がります。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は2~3週間あり、軽い風邪のような症状で始まり、発熱、発疹、首のリンパ腺が腫れるといった症状が出ます。熱も発疹も2~3日で治ることから、三日はしかとも呼ばれています。年少児のうちは心配するほどではありませんが、年長児や大人の場合は重症になることが多く、2~3日では治りにくくなります。妊娠初期の女性が感染すると、新生児に白内障や難聴、心疾患などの先天性風疹症候群が生じる事があります。
風しんは、ワクチンで予防可能です。女性も、男性も、予防接種を受ける事が望ましいです。麻しん、風しんの混合ワクチン、MRワクチンもあります。

慢性鼻炎の鼻の洗浄療法

【みんなのポケット】2013年2月号(NO.120)


慢性副鼻腔炎の約半数に効果  鼻の洗浄療法


風邪や花粉症の予防も

慢性副鼻腔炎に悩む人は多いが、家庭でできる治療法に鼻の洗浄があり、その治療効果は40~50%と報告されている。古くからある治療法だが、花粉症などのアレルギー性鼻炎や風邪の予防効果も期待できるという。

細菌やウイルスを洗い流す

慢性副鼻腔炎は、風邪を引いた後など、鼻腔の両脇にある副鼻腔に炎症が起こり、慢性化してうみ状の鼻汁や鼻づまりといった症状が見られるもの。
手術を要するほどひどくない場合は薬物療法を行うが、併用療法として鼻の洗浄が見直されている。鼻洗浄は、慢性副鼻腔炎の原因である鼻腔内の細菌やウイルスを洗い流し、粘膜の修復を図る治療法で、簡単にできる。
鼻洗浄は、食塩を少し混ぜたぬるま湯をコップなどに満たし、片側の鼻の穴から空気を吸う要領で吸い込む。その際、反対側の鼻は指で押さえて閉じておく。そして、吸い込んだぬるま湯が鼻咽腔(鼻腔の突き当たり)に達したところで吸引を止め、洗面器などに吹き出す。

1日3回が効果的

これを両方の鼻腔で交互に3~4回繰り返し、最後に耳が痛くならない程度に、鼻をかんで鼻腔内をきれいにする。
1日に朝、昼、晩の3回行うと効果的です。ぬるま湯が鼻咽腔に達すると、鼻の奥がツーン、あるいはキーンとした感じがします。
最近は、鼻洗浄用の簡便な器具が安価で市販されている。小さな子どもなど、自分でできない場合は、こうした器具を利用するとよい。
慢性副鼻腔炎があると風邪をひきやすく、風邪をひくと慢性副鼻腔炎の病状がひどくなる悪循環に陥りやすいのですが、鼻洗浄は風邪の予防効果も期待できます。また、花粉症などのアレルギー性鼻炎対策としても有用です。ただし、洗浄後に鼻をかむときに強くかむと中耳炎を起こす危険があるので、やさしくかむことです。
 

インフルエンザ罹患時の出席停止期間

【みんなのポケット】2012年12月号(NO.119)

平成24年4月1日に学校保健安全法施行規則の一部が改正され、インフルエンザ罹患時の出席停止期間が変更されました。今までは、インフルエンザ罹患時の出席停止期間は、解熱後2日まででした。しかし、タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬の使用が普及し、早めに解熱することが多くなり、解熱後もウイルス排泄がかなりみられることがわかってきました。そこで、平成17年12月からは、当熊谷市では、通常の経過では解熱後2日、抗インフルエンザ薬を使用した場合は解熱後3日間の出席停止をお願いしてまいりました。
しかし、今回の学校保健安全法施行規則の改正では、抗インフルエンザ薬の使用の有無に関わらず、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで、となっております。

感染性胃腸炎

【みんなのポケット】2012年12月号(NO.119)

感染性胃腸炎の原因となるウイルスには、「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「サポウイルス」、「アデノウイルス」などがあり、おもな症状は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱です
「ロタウイルス」、「アデノウイルス」による胃腸炎は、乳幼児に多くみられ、ロタウイルスによる胃腸炎の場合は、便が白くなることがあります。

感染経路

・感染した人の便や吐物に触れた手指を介してノロウイルスが口に入った場合
・便や吐物が乾燥して、細かな塵と舞い上がり、その塵と一緒にウイルスを体内に取り込んだ場合
・感染した人が十分に手を洗わず調理した食品を食べた場合
・ノロウイルスを内臓に取り込んだカキやシジミなどの二枚貝を、生または不十分な加熱処理で食べた場合

症状

1~2日の潜伏期間を経て、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、腹痛、発熱などがみられます。
乳幼児や高齢者では、嘔吐、下痢による脱水症状を生じることがあります。嘔吐の症状がおさまつたら、少しずつイオン飲料を飲ませるとよいでしょう。それでも、嘔吐してしまうときは、早めに医療機関を受診してください。

予防のポイント

・最も大切なのは手を洗うことです。特に排便後、また調理や食事の前には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
・便や吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう
・カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。(中心温度85℃1分以上の加熱が必要です)

注意点

嘔吐物や便の中には大量のウイルスが存在します。処理の際には感染したりウイルスが広がったりしないように十分注意する必要があります。嘔吐物をふき取った雑巾・タオルなどはビニール袋に入れて必ず密封して破棄しましょう。
・次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。

【参考:簡易なハイター等の薄め方】(市販の漂白剤:塩素濃度約5%の場合)


0.02%・・・環境消毒*に使用
0.1%・・・嘔吐物・ふん便が付着した場合の処理に使用

(注)次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させるため、金属部分に使用した場合は10分程度たったら水拭きしてください。また、塩素ガスが発生することがあるので、使用時は十分に換気をしてください。

濃度(希釈倍率) 希釈方法
0.02%(200ppm) 2リットルのペットボトル1本の水に10ml
(原液をペットボトルのキャップ2杯)
0.1%(1000ppm) 500mlのペットボトル1本の水に10ml
(原液をペットボトルのキャップ2杯)

感染性胃腸炎
学校保健安全法では、出席停止について特に明記された疾患ではありません。登園・登校の判断については、嘔吐・下痢がおさまるなど、患者さん本人の体調によって判断することが望ましいといえます。
 症状が消失した後も、約1週間は便の中にウイルスが排出される可能性があるため、登校後も手洗いを励行することが大切です。

 

 

先天性風疹症候群とは

【みんなのポケット】2012年10月号(NO.118)

今、日本国内で風疹が流行っています。
妊娠初期のお母さんが風疹にかかると、生まれてくる子供に異常がみられることがあります。これを先天性風疹症候群といいます。妊娠週数が早いほど障害の率が高く症状も重くなります。
白内障は妊娠2ヶ月まで、心臓の異常は3ヶ月まで、難聴は5ヶ月までの感染でおこるとされています。生まれてくる赤ちゃんのためにも風疹ワクチンは大切です。
1979年4月~1987年10月生まれの女性、現在24歳以上の男性、妊娠を希望される女性、風疹ワクチン接種暦が1回以下の方は、麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)を受けることをお勧めします。抗体を有する方が接種を受けても全く差し支えありません。
妊娠中は接種できませんので、成人女性は2ヶ月避妊して接種を受け、接種後は2ヶ月間は避妊しましょう。

 

プールなどでうつる病気

【みんなのポケット】2012年7月号(NO.116)

プールで感染する可能性のある病気には、どういうものがあるでしょうか。下記のような病気が代表例になります。

①プール熱

アデノウイルスという菌が原因となり、39℃前後の熱、喉が痛くなる、目が赤くなるなどの症状があります。

②はやり目 ( 流行性角結膜炎)

こちらも、アデノウイルスという菌が原因となり、目やにが出る、目が赤くなるなどの症状があります。

予防のためには、①プール前後のシャワー、②うがい、③手を洗う、④タオルの貸し借りをしない、などが大切です。

 

 

風邪の治療は?抗生物質は必要ですか?

【みんなのポケット】2012年5月号(NO.114)


風邪とは一般的には、ウイルスの感染で起こる、鼻や咽頭の感染症の事を言います。
多くは、鼻水・鼻閉、軽い咳、倦怠感、喉の痛み、そして抵抗力の低い乳幼児の場合、発熱を伴う
場合も多いようです。ですから、wait and see すなわち待機療法で、1週間前後で治るのです。
その時、乳幼児では自分で鼻をかんだりできないので、適度に鼻水を吸いとったりしてあげれば良いのです。
そもそも、鼻水・鼻閉は鼻からの次なる微生物の侵入を防ぐ生体の防御反応であるし、
咳も早く体外に侵入物を出してしまうための防御反応、熱は体の免疫力を増してウイルスを退治する力を
増そうとする防御反応です。それらの人間の体に備わった自然の力を、
鼻水を止める抗ヒスタミン剤や咳を抑える鎮咳剤、そして解熱剤などは邪魔をすれども
益は少ないのです。また、抗生物質はウイルスには無効ですし、2次的に起こる中耳炎や、
肺炎・気管支炎の発症を抑える力はありません。無駄に使うだけでなく、鼻、喉の常在菌の
耐性化をきたし、本当に必要となる菌血症や敗血症、細菌性髄膜炎などの時に抗生物質が効きにくくなってしまう事もあります。よく、鼻水が膿性だから抗生物質が必要とか言いますが、
あれは脱落した上皮細胞と好中球によるもので、必ずしも抗生物質は必要ありません。
一般的に中耳炎などを起こすと抗生物質が必要と日本では考えられていますが、先進諸外国では、軽い中耳炎では抗生物質は使わず、3~4日間経過をみます。その後悪化するようならそこで初めて抗生物質を用います。
以上のように、抗生物質は、一般的な風邪の診療・治療には必要ないのです。
あとは、いかに風邪と他の抗生物質を必要とする感染症(溶連菌感染症や尿路感染症など)を見分けるかです。それには、医師の診察力と適切な迅速検査(外来ですぐに結果が分かる検査)
の使い方に習熟することでしょう。そして患者さんによく説明して抗生物質の必要のないこと
をわかってもらう努力をする。そんな医療を考えています。

~コンタクトレンズと眼の感染症~

【みんなのポケット】2012年3月号(NO.112)

コンタクトレンズは涙の中に浮かんでいる矯正用具です。角膜表面の細胞に必要な酸素は涙を介して交換されます。涙が正常に分泌されていることは感染症を起こさないためにもとても重要です。コンタクトレンズは微生物の汚染の危険性が常につきまとっています。
レンズにふれる時は石鹸での手洗い習慣がかかせません。
保存ケースにしまっておけば中は清潔と誤解している人が多く、大きな盲点になっています。
保存ケースの中にも細菌の巣がたくさんできているからです。ケースをきれいにしておくことと、新しいケースに定期的に交換する必要があります。
ソフトレンズはハードレンズに比べ
使いやすく角膜の感覚が鈍るので傷や病気に気づきにくい。
レンズが水を含んでいるので、細菌などが繁殖しやすい。
サイズが大きいため角膜が低酸素状態になりやすい。
角膜感染症の主な症状は痛みや充血・異物感・涙目・視力低下などですが、最近やウイルスが除去されてできた潰瘍などによって角膜移植が必要になってしまうこともあります。日本では現在1日使い捨てレンズよりも2W使用レンズの人が多く、レンズケアは十分注意しましょう。
コンタクトレンズと眼の感染症

マイコプラズマ肺炎

【みんなのポケット】2011年10月号(NO.110)


マイコプラズマ肺炎は、病原体マイコプラズマニューモニエの感染でおこり、子どもや若い人たちがかかることが多く今では、ほぼ一年中みられ特に秋から早春にかけて流行のピークが見られます。わりと軽症なため普通のかぜと見分けがつきにくいこともあります。
一般的に処方される抗菌薬では効かず、特殊な抗菌薬が必要となります。適切な抗菌薬が投与されれば、ほとんどの場合外来での内服治療で治ります。
マイコプラズマ肺炎は、咳などの飛沫感染で起こり、2~3週間の潜伏期間のあとに発症してきます。症状は咳、発熱、頭痛、倦怠感などがあります。痰のでない乾いた咳が激しく、しかも長く続くため胸や背中の筋肉が痛くなることも珍しくありません。
インフルエンザのような広い地域での流行でなく、狭い地域・集団での流行が散発的に発生することが特徴です。流行している時期に子どもに咳や発熱などの症状が見られたら早めに受診をして下さい。家庭では、マスクやうがい、手洗いなどで予防に心がけるのがよいでしょう。
今年は、当地区でも例年になくマイコプラズマ肺炎が多い印象ですので、お気を付けください。

~アデノウイルス感染症流行中~

【みんなのポケット】2011年7月号(NO.107)


アデノウイルス感染症流行中

アデノウイルス感染症の1つに、「プール熱」があります。現在当地域で流行中です。長引く高熱、のどの発赤、目の充血(結膜炎)を特徴とする夏風邪の1つです。通常6月から徐々に流行し始め、7~8月にピークとなります。プールなどで感染しやすいので「プール熱」と呼ばれていますが、プール以外でも感染します。感染した人の唾液や目やにを通して伝染することが多く、ウイルスは主に結膜から侵入します。非常に感染力が強いので、兄弟間でも容易に感染します。
39度~40度位の高熱が3~7日くらい持続するために心配になりますが、少しは食事がとれて、水分補給ができていれば簡単には脱水になりませんので、心配ありません。特別な治療法はなく、もちろん抗生物質も効きません。
登校・登園は、主な症状がなくなってから2日を過ぎるまではひかえましょう。

~百日咳ってどんな病気?~

【みんなのポケット】2011年7月号(NO.107)


百日咳ってどんな病気?

原因は、百日咳菌。潜伏期間は5~21日で、飛沫感染または接触感染します。症状は軽い咳や鼻水で始まり、その後激しい咳になります。咳の発作は2~4週間続き、症状は約10週間近く続きます。咳の特徴は、乳幼児ではレプリーゼと言って「コンコンコン、、」と続き、最後に「ヒュー」と息を吸い込む発作を続けます。6か月以下の乳幼児は重症になることが多く、無呼吸発作を起こすときは入院治療が必要となります。百日咳は、三種混合ワクチンで予防することができる病気です。三種混合ワクチンは3か月から接種できますので、対象年齢になったら、早く接種してください。
最近成人の百日咳が多いようで、そのうち乳幼児にも広まってしまうのではと、気が気ではありません。成人の百日咳が多い理由の一つは、小学5年~6年生でやる追加接種が、百日咳のワクチンを除いた2種混合(ジフテリア・破傷風)だからです。今、国では2種混合のかわりにもう一度三種混合ワクチンを行おうと、検討中です。

~ノロウイルスに気をつけよう~

【みんなのポケット】2011年1月号(NO.103)


ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、二枚貝などの食品を生で食べることや、食品取り扱 い者が手で扱った料理を介しての感染などが注目されますが、伝染力がとても強く、急に寒 くなる10月~11月にかけて全国に広まります。子どもだけでなく大人もかかります。家 族中みんな発症することも稀ではありません。嘔吐、下痢、発熱、体の痛みなどが主な症状 ですが、大人がかかった方が症状が強いこともあります。

予防法ですが、どちらのウイルスも熱、アルコール、などの環境に他のウイルスより強い のが特徴です。汚染された手、汚染されたドアノブ、汚染された食品などからの感染ですの で、手洗いと汚染された衣類や吐物、糞便などの処理がとても重要です。ウイルスを「持ち こまない」「うつさない」「増やさない」が原則です。こどもも、大人も同様です。

まず手洗いですが、石けんと水で十分ですが、手全体(手のひら、手の甲、指先、爪の間、 指の間、手首まで)をまんべんなく洗います。次に、汚染された床や布団などの取扱いです が、まず処置にあたってはできれば使い捨ての手袋やマスクを利用しましょう。また、室内 に新鮮な空気を入れ換気を行いながら処置することが望ましいです。特にノロウイルスの消 毒ですが、塩素系消毒薬が有効と言われています。具体的には、床は 0.02%(200ppm)の次 亜塩素酸ナトリウムで消毒するのが良いでしょう。汚物がついたシーツや布団などは、汚物 を十分に落とした後、0.02%(200ppm)の次亜塩素酸ナトリウムに10分間浸すか、85 度で 1分間以上熱湯消毒してください。消毒後に他のものと分けて最後に洗たくしてください。 また、廃棄可能なものは、ビニール袋に入れて廃棄した方がよいですが、その際 0.1% (1000ppm)次亜塩素酸ナトリウムを染み込む程度に入れて消毒しておくとよいです。市販の 消毒薬では、ハイターやピューラックスが濃度が6%なので、0.02%(200ppm)の次亜塩素 酸ナトリウムを作るには300倍、0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウムを作るには 60倍にします。

次に、ワクチンについて少し触れたいと思います。ロタウイルスに対しては、日本ではま だ使用されていませんが、世界的にはワクチンがあります。世界では、任意接種という方式 で、100カ国以上で使われていて安全性も有効性もあるようです。
 

 

手足口病

【みんなのポケット】2010年7~8月号(NO.100)


夏風邪の代表的な疾患で、今年は例年より流行が大きそうな気配です。原因は、コクサッキーA16やエンテロウイルス71などの腸管系ウイルスです。症状は、手のひら、足の裏、口の中に点状の赤い発疹や米粒大の水疱ができることと、一時的な発熱です。通常は軽症で済みますが、なかに髄膜炎や心筋炎などの重い合併症を起こすこともあるので、高熱が続いたり、頭痛・嘔吐が激しい時、ぐったりしている時は、再度受診してください。特別な治療薬はありませんので、対症的な治療のみです(場合によっては、解熱剤など)。口の中の潰瘍が痛い時には、口内炎に使う薬を用いたり、脱水症状が強ければ、 輸液をしたりする場合もありますので、再受診してください。園や学校は、全身状態いかんで、休む必要はありませんが、十分な経過観察も大事です。熱が下がって、食事が普段通りにできるようになってから登園、登校したほうがよいでしょう。

経口補水療法

【みんなのポケット】2010年4月号(NO.98)

吐いたり、下痢をしたりする急性胃腸炎では子どもの脱水症状が心配されます。これまでは医師の診察を受けると点滴されることが多かったのですが、最近では、重症でなければ「経口補水療法で」という考え方にかわってきています。

軽症~中等症までの脱水には経口補水液(ORS)が勧められています。
経口補水液は点滴と違って器具や技術が不要なため、痛い思いをさせることもありません。70年代、発展途上国でコレラ患者に使用され有効性と安全性が確認され先進国に逆輸入された治療法です。ORSには塩分、糖分が効率よく含まれ失われた塩分、水分を吸収しやすいようになっています。

市販のものではOS-1やアクアライトORSなどがあります。また、家庭で自家製ORSを作ることができます。
※水1リットルに塩3グラム、砂糖40グラム

  • ・ 嘔吐がある時は、少しずつ頻回に飲ませてみましょう。
  • ・ 何回か行って大丈夫そうならほしがるだけ飲ませて下さい。
  • ・ 改善のない時は医師の診察を受けましょう。

◎子どもの脱水症の程度の見分け方の一つ
  ①親指のつめを白くなるまで押してパッと離す
  ②再び赤くなるまでの時間をみる
  1.5秒以下・・・軽症脱水、1.5~3秒・・・中等度の脱水、3秒以上・・・重度の脱水
 

~水いぼ~

【みんなのポケット】2009年8月号(NO.92)

水いぼは、正式には伝染性軟属腫といって、ウイルスによって発症する皮膚の病気です。毎年夏になると、プールとの関連で、水いぼの治療について相談する保護者の方が多く来院するようになります。水いぼは、自然治癒する疾患ですが、治るのに半年~2年と長くかかる事と、幼稚園や保育園によってはプールに入る事を禁止する場合もあり、保護者の方が「取ってほしい」と言う場合が多いのです。取ってくれ、というのは、治療法の1つに特殊なピンセットでつまみとる、という方法があり、てっとり早いので結構行われるのです。しかし、取られる本人はとても痛いです。それがいやで来院をいやがるようになるケースもあります。そのため、「ペンレス」という麻酔薬の塗ってあるテープを事前に水いぼの所に貼っておいて、1時間くらいしてから取ると痛みが少ないので、そんな方法をとっている病院もあります。しかし、麻酔薬のショックの危険もあり、あまりおすすめではありません。他の治療方法としては、硝酸銀と小麦粉を混ぜてペースト状にしたものを水いぼにつけると、何日かしてポロリと落ちる方法。「ヨクイニン」というハト麦をベースにした漢方薬を何カ月か内服する方法。そして究極は自然治癒、など。自然治癒を待って困るのは、前記したプールの事と、アトピー性皮膚炎の人など痒い皮膚炎のある人(掻くために水いぼの増えるスピードが早い)。プールに関しては、文科省より、ビート板や遊具を共有しなければ、プール自体を禁止する必要はない、との正式な通達が出ているはずなのですが、幼稚園や保育園側にしてみれば、水いぼのない子どもの保護者から、プールで水いぼをうつされた、と苦情を言われるのがいやなのです。しかし、水いぼは必ずしもプールだけでうつるわけではなく、日頃の生活でも皮膚と皮膚が擦れ合ってうつることはあるのです。いずれにしても、幼稚園、保育園の先生とよく話すこと、もし医師の説明が必要ならば私がします。

夏風邪

【みんなのポケット】2009年6月号(NO.90)

夏風邪の原因は、高温・多湿な環境を好むアデノウイルスやエンテロウイルスです。学校や図書館などのエアコンの効いた場所、プール・人ごみなどウイルスの触れやすい場所でうつります。症状は、発熱の他にのどの痛み、結膜炎、下痢・嘔吐、腹痛などがあります。代表的な夏カゼにはプールでうつることの多い咽頭結膜熱(プール熱)や、口内炎の痛みが激しいヘルパンギーナ、手や足や口に水庖が生じる手足口病があります。かからないためには、日頃からの生活習慣を見直し、栄養バランスのとれた食事や、上手な水分補給、外出後の手洗い・うがいなどの励行があります。また、昔は「寝冷え」などと呼ばれてもいたように、夜間のエアコンの効かせすぎや窓を開けっ放しで寝てしまって体が冷えたりすることも誘因となることもしばしばです。治療に関しては、特別なものはありません。休養と適切な対症療法です。高熱に対する家庭のケア、発熱や下痢・嘔吐などからくる食欲不振に対しての脱水の予防、口内炎の激しい痛みには口の中につける薬などを使ったりします。要は、正しい診断をして適切な処置をすることです。先日来、新型インフルエンザなどの話題で「発熱外来」という言葉を耳にしたと思いますが、私たち小児科医は毎日が「発熱外来」です。かかりつけの医師を信頼して、これからの季節の発熱に上手に対処しましょう。

~とびひ(伝染性膿痂疹)~

【みんなのポケット】2009年6月号(NO.90)
とびひ(伝染性膿痂疹)

 夏場に多い皮膚のトラブルの1つに「とびひ」があります。小さな水疱から始まり、数を増やし、膿をもち、または、破れて皮膚がはがれ、あっという間に広がってしまうことから「とびひ」という名で知られています。健康な皮膚には細菌は侵入できないため、湿疹、あせも、虫刺され、アトピー性皮膚炎などのある皮膚に、皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が感染して起こります。「とびひ」は早期より適切な治療を行えば症状を最小限に抑え、短期間で治すことができます。疑わしい場合は、早めに受診しましょう。

「とびひ」の治療 適切な抗生物質の内服、外用薬の使用
「とびひ」の予防 汗かいたらこまめにシャワー等で皮膚を清潔に保ちましょう。
あせも、湿疹、虫刺されなどは早めに手当てして、かきこわさないように。
爪は短く切っておきましょう。
ブドウ球菌は、鼻腔に多く常在するので、鼻をほじらないようにしましょう。
 

 

~はしか~

【みんなのポケット】2009年4月号(NO.88)

はしかは、春先にはやり乳幼児に多い病気ですが、2年前には、10代~20代を中心としたはしかが大流行しました。1回だけの予防接種で十分な免疫がつかない人もおり、それに加え流行回数の減少が集団感染の原因になっています。はしかの流行が少なくなり、ウィルスに接する機会が減って、終生免疫にならず次第に低下して、感染しやすい人が増えたのが原因のようです。
このような事から、麻疹・風疹の混合ワクチン(MRワクチン)が導入され、第1期・第2期の2回接種となりました。これに追加して2008年から5年間、これまで1回しか定期接種の機会を与えられていなかった子供たちに、補足的に第3期(中学1年生)と第4期(高校3年生)の接種を行い、はしか撲滅をめざしています。しかし、第3期・第4期に関しては、接種率がまだまだ低いのが現状です。
4月から6月は、はしかの流行する時期です。該当するお子さんはなるべく早目に接種しましょう。

 

咳エチケットとは?

【みんなのポケット】2009年2月号(NO.86)

せきくしゃみには、たくさんの病原体が含まれています。周りの人にうつして感染を広げないためにも、せきくしゃみが出たら、ひとり一人が
マスクをするようにしましょう。それを「せきエチケット」と言います。

 

~Hibワクチンについて~

【みんなのポケット】2009年2月号(NO.86)

ヒブとは、インフルエンザ菌b型(H.influenza B)の略語です。ヒブは、乳幼児期の重症感染症である髄膜炎などの原因菌です。世界では、予防接種で予防するのが常識となっている病気ですが、日本ではこれまでワクチンがなく、年間600例ものヒブによる髄膜炎の患者が発生し、さらにそのうち20例前後は死亡したり、100例前後が後遺症を残したりしていました。やっと本年12月よりこのワクチンが使用できるようになりました。しかし、多くの問題点があります。たとえば、費用が患者さんの自己負担であること。2つ目は、接種回数が多いため、現行の3種混合ワクチンなどと同時接種が理想的なのですが、今まで日本では1度に2つの予防接種をすることはほとんど行われておらず、保護者の方の理解を得るのに時間を要するかもしれないこと、などです。しかし、とても有意義なワクチンであるので私たち小児科医は根気強く勧めていきたいと思っています。詳しいことは、おたずねください。

 

~ウイルス性胃腸炎~

【みんなのポケット】2008年12月号(NO.85)

例年今頃になると、ウイルス性胃腸炎が流行します。原因となる代表的なウイルスは、ロタ、ノロ、アデノウイルスです。 急な嘔吐、腹痛で始まり、多くの場合、下痢や発熱を伴います。特にノロウイルスは非常に感染力が強く、あっという間に家族全員がかかってしまうことも少なくありません。かかってしまったら安静と休養、そして小さいお子さんの場合、脱水にならないように経口補液製剤などを用いたほうが良い場合もあります。少し大きいお子さんや成人の方なら、吐き気がなくなるまで、お腹を休めるのが一番でしょう。どうしても辛い場合や、脱水症状をきたした場合は、病院で点滴などを行います。

*ノロウイルス感染の予防
ノロウイルスは、食べ物による感染と、接触・飛沫・空気感染(ヒト・ヒト感染)があります。その中で、ヒト・ヒト感染についての予防について解説します。感染者の排泄物(吐物や便)には、大量のノロウイルスが含まれています。ですから感染者の排泄物処理には厳重な注意が必要です。処理はできれば使い捨てのゴム手袋が安全です。ペーパータオルや古布を用いて行います。終わったら使用した物はビニール袋に入れて次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白液を染み込ませてから密封して捨てましょう。雑巾やモップを洗浄して用いるのはウイルスの飛沫を防ぐためできるだけ避けてください。そして、感染者の排泄物、飛沫が付着した可能性のある所は、次亜塩素酸ナトリウム溶液を染み込ませたペーパータオルや布でふきとります。ただし、次亜塩素酸ナトリウム液で手指など体の消毒をすることは絶対に避けてください。
流水・石鹸による手洗いで十分です。

~手足口病~

【みんなのポケット】2008年7月号(NO.80)

手足口病は、夏風邪の一種で春先から初夏に流行します。現在流行中です。

【感染源は】
のどの唾液や、分泌物による飛沫感染、水疱や便から感染することもあります。

【症状は】
口の中にできる粘膜疹と手と足の水疱性発疹が主な症状です。熱は38度前後で通常1~3日で下がります。

【治療は】
特別な治療薬はありません。発熱や口の中の痛みを緩和する対症療法で様子を見ます。

手足口病は、重症になることはほとんどなく、1週間前後で治りますが、ごく稀に髄膜炎や心筋炎の合併症を起こすことがあります。何か様子がおかしいようでしたらもう一度診察を受けてください。


~かぜ症候群~

【みんなのポケット】2007年11月号(NO.73)

こどもの病気で最もよく見られるのは「かぜ」ですよね。熱・咳・鼻水などの症状はこの季節ではしょっちゅうの出来事。特に保育園や幼稚園に通っているお子さんはよくかぜをひいたり、水痘・おたふくかぜなどの流行する病気にかかることが多くなってきます。それが下のお子さんともなると、生まれて半年もしないうちにかぜをひくことがあります。上の子や家族など周囲にいる方が、ウイルスや細菌をもってくるからです。上気道炎と言って咳・鼻水を中心とした疾患は、多くはかぜ症候群と呼ばれるウイルス感染が原因で、抗生物質は有効でなく、対症療法(咳や鼻水を和らげる薬)が中心となります。一部、インフルエンザやヘルペス性歯肉口内炎は抗ウイルス剤を用いることもあります。また、溶連菌感染症や、抵抗力が落ちたために二次的に細菌感染が合併してくると、適切な抗生物質が必要になります。すっきりと症状がおさまらない場合は、再度受診して原因を確かめることが大切です。こじらせてしまうと、肺炎などの併発の危険性もありますので、「かぜは万病のもと」です。でも、子どもは何度もかぜをひき、熱をだしたり、嘔吐・下痢をしたり(体の防衛反応です)することで、自らの免疫力を高めていっているのです。ですから、かぜの場合は、外出を避け、家での環境を整え、ゆっくりと体を休め、水分をこまめに摂るなどして早めに治るようホームケアが大切になります。当院待合室の棚に(かぜの時の注意点・上手にうがいをしましょう)というパンフレットが置かれています。ホームケアにぜひ参考にしてください。